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2022-10-14

🌸言霊の大切さ

皆さま、こんにちは。 光明稲荷 神職 髙野みどりです。

今日は、「言霊の大切さ」についてお話したいと思います。

 

「言霊」って、皆さまも多くの方が一度はお聞きになられた事があると思います。

サザンオールスターズの歌にも確かあったような??

特に私はファン、というわけではないのですが(^o^;)

 

「言霊」の読み方は、「ことたま」と濁らずに澄んで発音したり、

「ことだま」と読んだりします。

濁って読むのは間違いではありませんが、神道では澄んで

濁らせないで、読む事が多いですね。


 

さて、「言霊」とは一体、何でしょうか?

日本古来から、言葉の中に宿るカミ、精霊、または

言葉そのものが持つ神秘的なパワー、生命力の事。

また、このようなパワーが宿ると信じられ日本文化の

特徴の一つとする説があります。

 

神事で神々と向き合う時、この言霊の霊力を借りて、

言葉の中に潜んでいる不思議な力によって人の心を動かしたり、

モノ(物)やコト(事)の中に宿っている精霊、神に働きかけて

自分達を取り巻く状況や起こっている現象を変えようとする

精霊信仰の一環として捉えられたりする見方もあります。

また、本来は咒文(じゅもん)、咒詞のみが神の威力に

裏付けられた権威を持っていたとされたりしていました。

 

言霊信仰が歴史的に自覚されたのは万葉の時代になってから

とされる考え方もあるようです。

和歌の世界では「言葉が、あめつちをうごかす」もの

という考え方が伝統となり国学者や神道家においても

言霊は重要な観念となりました。

 

万葉の歌人、柿本人麻呂が、「敷島の日本(やまと)の国は

言霊の佑ふ(さきはふ)国ぞま福(さき)くありこそ」と詠み、

その一方で「葦原(あしはら)の水穂(みずほ)の国は神ながら

言挙げ(ことあげ)せぬ国然れ(しかれ)ども言挙げぞわがする・・・」

と一見して見ると相矛盾したようにみえるけれども、

つまり、「日本は言霊によって栄える国だから、

むやみやたらに言葉を発してはならない」、と

言霊の大切さを言っているのですね。


 

諸説あってどれが正しい、とは断言はできませんが・・・。

要は、「言葉」と言うものにはパワーがあると言う事は理解できます。

喜び、悲しみ、怒り、・・・様々な感情と共に発せられる言葉には

見えないパワーが秘められているようです。

 

むやみやたらに人を傷つける言葉、愚弄する言葉、汚い言葉は

聞いていても言っても後味が悪いものです。

できれば、気持ちの良い清流のような気分になる言葉を発したり、

戴いたりしたいものです。

 

この素晴らしいポジティブな言葉の持つエネルギーは

人を動かす事も出来るように思いませんか?

もし、落ち込んだりした時、「よーし、大丈夫!! 出来るぞ!!」

みたいな前向きな言葉にはポジティブなパワーがあります。

凹んだ人を見た時、「皆がついてるよ、一人じゃないよ。

元気出して!!」て言うと励まされますものね。

 

言葉がやたらと簡略化されメールの絵文字などが文字や

文章の代わりに使われています。楽しくてそれはそれでよいのですが。。。

若い人たちの間で使われている日本語??のような日本語でない

言葉が氾濫している昨今・・。

古き良き言霊…日本人の心…大切にしたいものです。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございます。

※この記事は、2011年10月11日の内容を少しリライトしたものです。

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