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2022-09-12

🌸佐田彦大神様 大宮能売大神様について

皆さま、こんにちは。光明稲荷 神職 髙野みどりです。

皆さま、こんにちは。光明稲荷 神職 髙野みどりです。

当社は、ささやかな神殿ではありますが、

京都伏見稲荷大社よりご分霊を戴きまして

ご奉斎させて戴いております。


 

京都伏見稲荷大社ご祭神は五柱の大神様が御鎮座されておられます。

宇迦之御魂大神様(うかのみたまのおおかみさま)

佐田彦大神様(さたひこおおかみさま)

大宮能売神様(おおみやのめのおおかみさま)、

田中大神様(たなかのおおかみさま)

四大神様(しのおおかみさま)

 


 

今日は、伏見稲荷大社主祭神であられます

宇迦之御魂大神様に続きまして、

佐田彦大神様(さたひこおおかみさま)

大宮能売神様(おおみやのめのおおかみさま)

についてお話させて戴きたいと思います。

 


 

佐田彦大神様は降臨してくる天孫を先導する為、

その道の途中に待機していたと道開きの神

「猿田彦神」に同一とされております。

つまり、「サルタ」が「サタ」に変化して

「佐田彦」となったかと考えられているようです。

「サルタ」と言う語は「先導」とか「先端」を意味する

とも考えられるようですが「日本書紀」によると、

猿田彦神は伊勢の狭長田に降り立ったとされており、

この「サナダ」も「サルタ」も神聖な田を意味するとも言うそうです。

 


 

この様に経緯は不確かではありますが、

宇迦之御魂大神様を主祭神とする神社に猿田彦神が祀られるのは

こういった意味からか何かしらの関連性が認められるのではないか

と言われております。

 

また、宇迦之御魂大神様の他に祭神として太田命という

神名が上げられる事もあったようですが、

この太田命は「神道五部書」では猿田彦神の別名、

又はその裔であるともされているようです。

 

大宮能売大神様は『古事記』では天宇受賣命、

『日本書紀』では天鈿女命(あめのうずめのみこと)とも申し

神祇官に祀られた八神のうちの一柱として朝廷で重視された女神です。

 


 

この神祇官に祀られた八神とは、律令制のもと、神祇官西院の

八神殿に設けられた神々の事で「古語拾遺」の表記に依ると、

第一殿・神皇産霊神(かみむすびのかみ)以下、

高皇産霊神(たかみむすひのかみ)、魂留産霊(たまつめむすひ)、

生産霊(いくむすひ)、足産霊(たるむすひ)、大宮売神、

御膳神(みけつかみ)、事代主神(ことしろぬしのかみ)の

天皇を守護する八神(御巫八神・みかんなぎはっしん)の事です。》

 

大宮能売大神様は「延喜式」祝詞の大殿祭(おおとのほがい)に

宮殿内が平穏である様、守護する働きを持つ神と称えられました。

 


 

又、「古語拾遺」では、太玉命(ふとだまのみこと)の子で女官が

善言美詞(にぜんげんびし)よって君臣のあいだを和らげる様な

働きをすると説明されております。

 

「神祇拾遺」(室町後期)では、第三殿の祭神を大市姫、

又は大宮命婦としておりこれは宮廷の女官を意味しているといえます。

 

松前健氏はこの大宮能売神を宮廷祭祀における

「神饌を取り扱う巫女の神格化したもの「稲荷明神」とみているようです。

そうであるとすれば、稲荷の三神は稲の神、田の神、神饌に関わる神

と言った関連があるということになりましょう。

 


 

今回も稲荷大神様について様々な専門家諸氏の資料を基に

様々なお話しさせて戴く事ができた事、心から嬉しく思います。

この様に「稲荷神」という神様は宇迦之御魂之大神様を筆頭に

由緒正しき様々な神様であられる

という事が皆さまにもお解り戴けたかと思います。

いつの日か、「お稲荷様」=「動物」「崇り」という式が

おのずと多くの誤った認識の中から消え去っていくことを

切に願っております。

 


 

次回は田中大神様、四大神の事についてお話しさせて戴きます。

最後までお読みいただき誠にありがとうございます。

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